”見える化”とは、
「物事や情報を具体的に目で見えるようする」ことです。
はじめて「見える化」が言葉で登場したのは、1998年トヨタ自動車の論文だそうです。
人やモノや工数を目で見て分かるようにし、業務を改善することが目的でした。
「問題点を見つけ出し、明らかにする」と書かれていました。
参考:wikipedia
「視覚化」の概念は、もっと古く1960年のアメリカです。
「TEACCH」という、自閉症やアスペルガー症候群の子供のための「視覚的支援プログラム」が体系化されました。
1日の流れを絵や写真で表現し、活動の流れを「見える化」しました。
その後、国際化が進んだアメリカのビジネス界で「見える化」が広がっていきました。
今では世界中で、ビジネス・教育・医療・広告・メディアなど幅広い分野で使われるようになりました。
ですが、一言で「見える化」といっても、
たくさんの種類・手法があります。
広義に言えば、イラストを添えたポスターや日記帳も見える化です。
リアルタイムで描き出すグラレコも見える化です。
今回の記事は、多すぎてよく分からないそれらを分かりやすく紹介します。
図解
物事を図に表し、分かりやすく説明するもの。
図解はその名の通り「図で解説」します。
WordやPowerPointを使う人には馴染み深いのでは無いでしょうか?
以下のようなものが代表的ですね↓
数字を図・グラフで表して、分かりやすくします。
他にも次のようなものがあります。
図形だけでなく、イラストを使うこともあります。
図解総研では図解を「共通言語」と呼んでいます。
外国人でも専門家でも誰にでも伝わるからですね。
図解はいくつかの種類に分けられます。
日本図解協会では以下のように分けています。
このように「図」で分かりやすく表すのが「図解」です。
主にビジネスで活用され「流れ」や「関係」を表します!
インフォグラフィック
数値(統計など)をイラストや写真と共に構成した“見てすぐ伝わる”図や表
あれ?図解との違いは?と思いますが、
以下がインフォグラフィックの例です。
図解との違いがよく分かると思います。
インフォグラフィックは「数字」が中心。
イラストも多く使うためよりカラフルなイメージがありますね。
ただ最近は「数字」だけではなく「見て分かるデザイン」という部分も大きいようで、「広告」などでよく使われるようになりました。
個人的には、
「図解」:物事をシンプルに図で表す
「インフォグラフィック」:主に数字をイラストや図でカラフルに表わす
と捉えると分かりやすいと思います。
フローチャート
プロセスの流れを箱や矢印で表す図。
一方のフローチャートはすごくシンプル。
使うのは箱と矢印だけ。
とってもシンプルですよね。
主に業務の流れやシステムのプログラミングなどで使われます。
マニュアルなど「多くの人に同じ動きをしてほしい」時に使われます。
無駄な情報は徹底的に削ぎ落とします。
図形の箱にはルールがあるため、作る際には以下のサイトなどを参照しましょう!
ポンチ絵
構想図のこと。主に製品の製図の下書き・
昭和世代と平成・令和のジェネレーションギャップを感じる言葉です。
でも昔は主流の「見える化」でした。
見て分かるように「製品の落書き」という意味で使われました。
ラフスケッチみたいなイメージですね。
語源は古く、なんと漫画の原点浮世絵の一種とされています。
ポンチとは漫画から生まれた言葉だそうです。
パンチがポンチとなったなど諸説あり。
若い世代ではあまり使われない言葉です。
マインドマップ
思考プロセスを見える化したノート法
知ってる人が割と多いマインドマップ。
「連想」の方法でどんどんつなげていきます。
このように真ん中に「主題・テーマ」を書きます。
そして、そこからどんどん連想させていきます。
箱の大きさを変えたり、線の太さを変えたりするとより分かりやすくなります。一眼で全体を整理することができます。
この方法は1960年には考案され、日本でも2000年代に爆発的に増えました。情報量の多い現代にぴったりな方法です。
似ている例で「ビジョンツリー」というのもあります。
こちらは、「根・幹・葉」によって組織を表しています。
こうすることで「仕組み」が理解できますね。
メモリーツリー
マインドマップの一種。ノート上に木のように情報を書き表す。
こちらもマインドマップの一種。
ビジョンツリーとも似ています。
主に学習で、情報を木のように書いていきます。
実はこの方法は「ドラゴン桜」で紹介されました。
桜木先生が歴史の授業で使いました。
こちらの方法は、ドラゴン桜の公式ページに詳しく載っています。
私も国家試験で活用し、無事合格できました。おすすめです!
シナジーマップ
お互いのプロジェクトにどういう影響を及ぼしているかを可視化する地図
こちらは知っている人が少ない「見える化」。
マインドマップの強化版と言えます。
キングコング西野さんがおススメしている方法です。
マインドマップと違うのは思考・流れではないところです。
シナジーマップは「プロジェクト」と「影響」を見える化します。
各プロジェクトを書き、それらが互いに及ぼす影響を線でつなぎます。
そして影響の種類を「宣伝」「世界観」「お金」に分けて書き込みます。
そうすることで「このプロジェクトは何を生み出すのか?」が分かり、プロジェクトの価値や可否を判断することができます。
ビジネスでものすごく大切な価値をもたらしてくれる方法です。
ビジョンマッピング
チームや社会の未来像を1枚のイラストに描いたもの
こちらはTHE・イラストです。
さっそく見てみましょう。
一度は見たことがあると思います。
行政・会社が出すようなものですね。
今までの平面と違って、立体であることも多いです。
「人」が出てくることが多く、地域・社会の未来像を示します。
デザイナー・イラストレーターが作ることが多い、少し高度な見える化ですね。
グラレコ(グラフィックレコーディング)
話し合いを「絵」で「リアルタイムに記録する」こと。
タノもよくやる「グラレコ」です。
最近ようやく社会に認知されてきた手法です。
グラレコは、グラフィック・レコーデイングの略です。
話し合いをリアルタイムに可視化します。
場を導いたり、整理したりする時に抜群の力を発揮します。
こんな風にホワイトボードなどに描きます。
描いたものを元に話せるので、話がまとまりやすくなります。
「聞きながら書く」ため少し訓練が必要です。
必要な情報を落とさず、
イラストを使って可視化するなどです。
できるようになったら会議が変わります!
グラファシ(グラフィック・ファシリテーション)
グラフィックを用いてファシリテーションをします。
ちょっと分かりづらいですが、
「司会(MC)+グラレコ」と考えると分かりやすいです。
描きながら、司会をするわけですね。
当然難易度が上がりますが、
ただ司会をするよりも対話が楽になります。
良いアイデアも生まれやすくなります。
グラログ(グラフィック・ログ)
視覚的な「記録」全般
最近生まれた言葉です。
グラログは「視覚的な記録」という意味です。
「記録」に焦点を当てています。
記録を行う「見える化」全般を指す言葉になります。
自分のノート、ポスター、資料、議事録など、
視覚的なもの全般を指します。
グラレコは「ある程度練習が必要なリアルタイムの記録術」です。
グラログは「だれでもができる視覚的な記録」です。
グラログの描き方はこちらの記事で!
終わりに
いかがでしたか?
知っているもの、知らないものもあったと思います。
世の中には「見える化」がたくさんあります。
「伝える」「分かる」ために自分に合った方法を選びましょう!