今回の記事では、
私が国家試験に合格した勉強法について
お伝えいたします。
多くの人からのアドバイスと、
科学的に効果があった勉強法をまとめした。
試験・勉強に取り組む方の力になれればと思います。
ちなみに・・・公認心理師試験
公認心理師試験は,公認心理師法第5条に基づき「公認心理師として必要な知識及び技能」について行われる。 また,同法第2条では「保健医療,福祉,教育その他の分野において,心理学に関する専門的知識及び技術をもって」公認心理師の業務を行うこととされている。
一般財団法人 日本心理研修センター
目的と目標
勉強の初めは【目的】を言語化ところからでした。
「試験に合格する!」は目標です。
これではフワっとしていて、目指す先が分かりません。
「何のために合格したいか」が目的です。
私の場合、小学校の教師を退職した直後でした。
肩書きも資格もない中、それでも教育には携わりたい。
その時、活動に説得力が欲しいと思いました。
資格をとり、説得力と自信をもって伝える人になる。
これが私の目的でした。
これをノートやスマホのメモに書き、知人にも伝えました。
そうやって「勉強の目的」を言語化することで、迷った時の指針になりました。
これが勉強のスタートです。
試験分析
次に、試験の分析を行います。
先程の「試験に合格する」というフワッとした目標をしっかりと捉えていきます。
つまり「どうすれば合格するのか」を数字で表すのです。
公認心理師試験の合格基準を調べました。
※試験概要の全て:ブループリント
(1)《問題数と時間》
・230点満点中最低138点以上。(60〜65%)
・午前77問、午後77問、計154問が出題。
・各120分(2時間)
・一般問題は116問(1点)
・事例問題は38問(3点)
となります。
事例問題は3点!全て正解で114点です。
配点の大きさが分かります。
さらに、公認心理師試験では、
ブループリントという 試験設計表が示されています。
各分野の出題割合が示されています。
つまり
・24分野あり、出題割合のばらつきがある。
・割合が大きいのは、事例への対応が問われる
1〜 3「公認心理師としての職責」
16〜19「福祉・教育・司法」
・一方で2%の問題は知識を問われる分野
また、さらに色々なサイトを見てみると、
《出題傾向》
・5肢択一(5つの選択肢から1つを選ぶ)約110問
・4肢択一(4つの選択肢から1つを選ぶ) 約20問
・5肢択二(5つの選択肢から2つを選ぶ) 約20問の3種類
※適切選択は約120問、不適切選択は約30問
《難易度》
☆難易度A(26問)
5つの中から完全にランダムで選ばざるを得ない難問。
☆難易度B(66問)
正解の選択肢を2つor3つまで絞り込むことが出来る問題
☆難易度C(62問)
比較的正解を1つに絞り込みやすい問題。
ここまで分かります。
最後に戦略を立てます。
・事例問題で得点を取り、難易度Cを確実に得点。
・事例問題は38問。全問正解で114点。
・難易度C は62問。全問正解で 62点。
→事例問題と難易度Cで176点。7割で105点。
→事例問題AとBで92問。5割で46点。
⇨合計で151点
このように「数字」で分析することで、
「どれだけ得点すればいいか」が明確になります。
過去問:赤本(5回繰り返し・解像度を上げていく)
といっても、最初から戦略通りにはいきません。
そもそもテキスト選びで私は失敗しました。
そして最終的に私が使ったテキストはこれだけです。
この一冊をひたすらやりました。
なぜこの本を選んだかというと、
・過去問全てと模試が収録
・基本的な知識まとめと解説がある
・難易度を三段階で表していて「捨て問」も分かる
が理由です。
今回の心理の試験は、重箱の隅をつつけば専門家でも分からない問題があります。
そのため、まず過去問から傾向をつかむことが大切です。
1回では分からないので、一冊を繰り返し解きます。
そうして、最終的にはただ解くだけではなく
正答以外の選択肢や、正当の根拠をもてるように、
掘り下げることが重要になります。
このあたりは、この動画がおすすめです。
その理由をしっかり解説されています。
※リンク先は心理カウンセラーの試験対策の動画です
今回私は5回繰り返しました。
・・・こう書くと多く思えると思います。
ですが、段々と早くなります。
1回目:850問
→2回目:不正解の400問のみ
→3回目:不正解の200問のみ
という風に解く問題が減っていくからです。
仕事しながらでしたので、
1周目には2ヶ月くらいかかりましたが、
2周目は1ヶ月、3回目は2週間、
4回目・5回目は1週間かからなくなりました。
回数が増えると問題集というより、参考書のようになります。
半年の期間をとり、それぞれのスケジュールとしては、
1周目(2ヶ月):分からない問題だらけ。心が折れるがとにかく終わらせる。
2周目(1ヶ月):できる・できない問題がはっきりしてくる
3周目(1ヶ月):得意な分野を伸ばし・苦手範囲を穴埋め
4周目(2週間):講座・模試の曖昧な点を復習していく
5周目(2週間):試験前の最終確認
こんな感じでした。
半年間ですが、合計しても6ヶ月にはなりません。
その理由は、何度も心が折れたからです。
当時の私の過去問終了時の分析です。
上から分かるように、正答率50%以下が多かったです。
頑張っても、全然成果が出ず、勉強できない時期もありました。
そこで、大切にしていたことがあります。
それは、セルフ・コンパッションです。
これは、自分を思いやるという心理用語です。
勉強ができない時も「そんな時もあるさ」と自分を慰めます。
そうするうちに、最初の目標を思い出します。
資格をとり、説得力と自信をもって伝える人になる。
決して自分を責めてはいけません。
そのためにはギリギリのスケジュ ールを立てないことです。
怠けるのは良くないですが、挫折やできないことも考え、少し余裕をもってスケジュールを作りましょう。
時間:Googleカレンダー(勉強時間を確保)
一方で、人は怠ける生き物です。
日々の忙しさやその他の誘惑に負けます。
それを本当の意味で打ち破る唯一の手段があります。
それは「習慣」です。
ここで誤解にならないようにいうと、
「習慣=意思の強さ」ではありません。
逆に、意思が弱い人ほど、習慣の力を使う必要があります。
「よしがんばるぞ!!!」は、持続しません。
そうではなく当たり前にするのが習慣です。
ちょうど「歯みがきする」ように。
歯磨きは頑張らない。
でも、しないと気持ち悪いし、大体同じ時間にやります。
また、手順も考えなくても覚えています。
歯ブラシを濡らし、歯磨き粉をつけ、磨き、うがいする。
これを毎日繰り返してますが「努力」とは呼びませんよね?
勉強も同じです。もし難しいなら、ITの力も借りてみましょう。
私の場合Googleカレンダーを使いました。
繰り返し機能・数分前に教えてくれるリマインドもあります。
私が重宝したのは「家族カレンダー」です。
家族共有のGoogleカレンダーに入力することで
「この時間は勉強」と分かってくれて集中させてくれました。
社会人の方は、特にまとまった勉強時間の確保が難しい。
でも、まとまった1〜2時間の集中の時間は絶対必要でした。
理解が得られるように、そんな工夫もおすすめです。
アプリ:Evernote(メモ・検索)
ここからは、具体的な学習方法です。
2回目以降は、用語をメモするようにしました。
ですが、分からない単語の方が圧倒的に多い。
ノートにメモしても、探すのが大変でした。
最初のノートはこんな感じでした。
1〜2ヶ月の直前の時期には力を発揮しましたが、まとめるのに時間がかかり、その間にどんどん内容を忘れていきました。
・すぐにメモする
・探すのを早くする
この2つを満たしたのが、Evernoteです。
Evernoteはメモ型のノートアプリです。
ですが、カテゴリごとにまとめたり、写真を追加したりできます。
また、文字の検索ができるため、瞬時に探したい内容を見つけられます。
↓実際の画面
Evernote使用画面
「あの単語どういう意味だっけ?」
「この内容、前にもあったな・・・」をすぐに確認することで、
記憶は定着しやすくなります。
記憶の定着は、参照回数と結びつきの強さです。
このEvernoteを使うと、電車でも隙間時間でも気になった時に確認できます。
調べて、メモ。
内容を調べたら、文や画像を付け足していく。
画像も一緒に添付できるので、視覚的にも効果的でした。
ノート術:メモリーツリー(関連を捉える)
Evernoteの長所は、手軽さと検索です。
一方で弱点は「関連性を捉えづらい」です。
知識は「点」では定着しづらい。
知識同士を「線」にし、カテゴリで「面」にした時に、長期記憶化します。
関連を捉えるためにおすすめの方法は、メモリーツリーです。
メモリーツリーは、その名の通り樹木の枝を伸ばすように、
単語や内容をつなげて記録する方法です。
この時大切なのは1ページでまとめることです。
「一目」で繋がりを理解することで、頭ではなく目と手で覚えます。
頭でつなげるのは重要ですが、ページをまたいで行うと脳の処理に余計な負荷をかけます。
この方法はドラゴン桜でも紹介されています。
ご興味がありましたら、こちらを参照ください。
これに加えて、先程のルーズリーフノートを活用しました。
まとめると、
①Evernoteで手軽にメモ
②メモリーツリーで関連を把握
③細かい情報をルーズリーフノートで記録
この3つを使うことで、記憶と記録を結びつけていきました。
動画:YouTube(能動的・クイズ・深堀り)
ここまでは、
記録するといういわばインプットとアウトプットの中間でした。
私が紹介する記録方法は、能動的なインプットのため、それだけでも効果があります。
ですが、定着には知識の確認が必要です。
模試や過去問でもいいですが、1つをじっくり行うと時間がかかります。
それは直前期の1〜2ヶ月で行い、まずは短い時間にたくさん確認しましょう。
そのための有効な方法が動画です。
講座:オンライン動画(知識を1つの形にする)
YouTube動画は、広く浅く確認するために有効です。
ですが、Evernoteの時と同じく、知識は線・面が重要です。
また、今回は「深さ」も問われる試験となります。
「なぜその答えになるのか」「なぜ他は間違いなのか」はもちろん、
「制度の考え方」「歴史背景」「単語の捉え方」などは、無料の動画では限界があります。
そのため、おすすめは予備校などの講座です。
費用がかかりますが、合格のために講師が練ったものです。
最近はオンラインアーカイブもあり、何度でも視聴することが可能です。
個人的には、この動画を見たことで合格できたと思っています。
※案件じゃないです
正直「知識を結びつける」ことが一番難しいです。
確かな知識がない丸暗記では、出題者に少し捻られたらアウトです。
ですので、知識の深掘りをすることはとても大事です。
また、模試もセットでついてくることがあります。
特に直前の時期に公開が始まります。
私は河合塾のファイブアカデミーを受講しました。
全体:模試(実力を測る・穴を埋める)
そして、やはり王道は模試です。
実力を測り、穴を埋めることができます。
大事なのは、点数そのものではありません。
どこができて、どこが苦手なのか。
イメージはドラゴン桜に出てきた四章限での分析です。
そして、分析の時に立てた得点とどれくらい開きがあるか。
それを見直してみましょう。
ちなみに、少し余談ですが、私は模試で一度も合格点をとったことがありませんでした。
すべて10〜20点点足りずに絶望していました。
でも、自信のないままテストに望むことが一番恐ろしい。
何をしたかというと、
試験前日に前回試験を印刷して解きました。
赤本は5周終了済み。できないわけがありません。
当然8〜9割近くとれました。
でも、それが不思議と自信になりました。
最後に
国家試験の勉強法、いかがでしたでしょうか。
実体験に基づいたレポートでした。
分かったことは、勉強方法ともう一つ。
勉強に対する心構えでした。
プレッシャー・焦り・不安・怠けなど、
そんな気持ちと向き合い、認めることが大切でした。
ちなみに不安になった時は、
Facebookのコミュニティにコメントして、アドバイスをもらいました。
また逆にもらったアドバイスをまとめて投稿もしました。
以下は、試験1週間前の投稿でし。
目的・目標・分析・戦略・積み重ねはしてきた。
そこまで頑張ってきたことを信じて向かうだけ。
合格が目的ではなく、
合格して何をしたいのか、勉強の先になにを目指すのか。
そんなモチベーションが一番大切です。
読んでくださったあなたの目的が果たせれますように。
応援しています!