タノ先生が新渡戸文化学園で
中高生向けに「見える化」の授業をしました!
今回の記事は、どんな授業をしたのか
当日の内容やいただいた感想をまとめました。
「こんな授業もあるんだ」と思っていただけたらと思います。
授業までの経緯
筆者のタノは小学校教師を退職後、「見える化」の授業をしてきました。
コロンビア・東京・静岡・NPOなどです。
※詳細は実績から
そんな中である東京の先生からイベントの書記として声がかかりました。
そのイベントがこちらの「オトナが描くミライ地図」。
主催者とゲストの対談イベントです。今までのゲストは
①工藤勇一さん
②植松努さん
③苫野一徳さん
④木村泰子さん
⑤岡佑夏さん
⑥岩元美知彦さん
がいらっしゃいました。
教育者や実業家として名だたる方々ですが、仰ることは同じ。
「誰一人として取り残さない教育」
「最上位目標に向かって自分で探究し考え切り開く力をつける」
「本質を問い直し、もっと楽しい教育を目指す」
このような共通項があります。
そんな、次の教育の未来に向かうイベントです。
このイベントの主催者が、山本崇雄さん。
山本先生も魅力的な方で、その働き方はよく「二刀流」と称されます。
どのような働き方か、東洋経済ONLINEの記事を見てみましょう。
「教えない授業」を提唱し、各方面から注目を集めている山本崇雄先生。1994年から公立中学校で英語教師としてキャリアをスタートして以降、東京都立両国高等学校附属中学校、東京都立武蔵高等学校附属中学校などを経て、2019年に退職。現在は横浜創英中学・高等学校、新渡戸文化中学校・高等学校などで教壇に立つほか、企業・団体にも教育メソッドやトレーニングを提供している。
複数の私立校や企業・団体と雇用契約を結び、執筆や講演活動なども行う「二刀流(複業)の教師」という、これまでにないユニークな働き方をしている教育プロフェッショナルの一人だ。そんな山本先生は教育現場だけでなく、学校全体の教育をデザインする仕事にも携わっている。
引用:東洋経済ONLINE
このような、1つの学校・1つのジャンルではなく、複数の活動の場を持ってらっしゃる方です。
山本先生は「教えない授業」という本を出版し、当時相当な物議を起こしました。
学校は教える場所は、当たり前の考えで、子供は知識を教わるだけ。
「教えない」なんて何を言ってるんだという意見も当時、かなりあったと聞きます。
しかし、今ではその考え方が探究学習・けテぶれ・PBL・自由進度学習など様々な名前で浸透してきています。
当時から今、少しずつ時代が変わってきていることが分かります。
そして、そんな山本先生が2022年に出版した本が「学びのミライ地図の描き方」。
この出版を記念し、大人向けの「ミライ地図の描き方」として、今回のイベントの実施となりました。
前置きが長くなりましたが、そんな山本先生が働く学校の1つが新渡戸文化学園。
書記として出会った中で、山本先生に声をかけていただきました。
「新渡戸の中高生に向けて授業してみませんか?」
そのような経緯で授業の実施となりました。
当日の内容
山本先生は英語の先生で、タノは「見える化」が専門です。
そのため英語の授業を「見える化」するという内容でした。
内容に入る前にお伝えすると、英文の見える化はこんな感じです。
英文を理解してグラログが描けることが授業のゴール。
英文を共有いただいて事前打ち合わせをし、授業練りました。
一度詰め込みすぎたものを白紙に戻すなど、2週間位かけました。
そして当日、新渡戸文化学園に。
新渡戸文化学園は、新渡戸稲造が創設した学校です。
実はリアルの場での授業は久しぶりでした。
最初の授業は高校1年生。英文はSamurai&English。
開国後に福沢諭吉が英語に出会い、習得する実話に基づく話です。
山本先生が英語の文章を一度大きなプロジェクター写した後、私の出番に。
授業の中身はこんな流れでした。
英文は難しいし、たくさんの情報があって難しい。でも、
①分かるキーワードを抜き出す(5〜8個程度でOK)
②並べ替えてストーリーにする
③イラストや記号で「見える化」する
英文の理解が「視覚的」に進んでいきました。
高校生はこんな記録を書いていました。↓
また、これは新渡戸の子供たちならではかもしれませんが、
ICTの活用が凄まじかったです。
英文をタブレットで見ながら紙に描く子もいれば、
タブレットに描き込んだり、スライドをつくったりする子もいました。
デジタルネイティブ世代の学習は、どんどん新しくなっていることを感じました。
その後の中学生の授業では、私の自己紹介などもしました。
正直中学生に対しては、少し難しい内容だっと反省しています。
思った以上に「自分で考えて書く」のハードルが高く、いきなりは難しいと感じました。
そのため、その後の時間もいただき、イラストの描き方などの授業もさせていただきました。
簡単な人イラスト、感情の表現方法のイラストを描いたり、
(※グラまるの描き方はこちら)
用意したいたスライドを白紙に戻してリアルタイムで描いたり、
とにかく楽しく、「かく」ことのハードルが下がればと思いました。
ものすごくハマった子もいれば、そこまででもない子、色々な子がいたと思います。
ですが、学習はそういうものだと思います。
ただ、学習の1つの武器に・手法になって、子どもたちの力になったらと思っています。
久しぶりのリアルタイムの授業は、1日漬けのとても充実した時間を過ごさせていただきました。
山本先生・新渡戸文化学園・子どもたちに感謝いたします。
【当日の資料の一部(参考までに)】
子どもたちの感想
学習の最後に、授業の振り返りを兼ねて山本先生が感想をGoogleフォームで集めてくださいました。
昔から勉強のやり方自体があまりわからなかったので、先生が今日教えてくれたやり方を一回試してみようと思いました。ありがとうございます。
こういう風に勉強だったり自分の好きなことを楽しく学ぶという事ができる人に憧れていたので、今日その学び方を教えて頂きとても嬉しい気持ちでいっぱいです! ありがとうございました!
完璧にこなすと言う固い概念がなくなりました。ありがとうございます。
とても嬉しい感想です!一方でこのような感想もあれば、
イラストを入れることで文だけよりも分かりやすくなることを改めて感じました。ただ、必要な文だけを残して…という作業が難しくて苦戦しました。これは数をこなしていくうちに見えるくるものかなと思うのでたくさん活用していきたいです。
というように、難しさを感じた子もいました。分析がすごくよくできているのが素晴らしいです!
このあたりは「実践あるのみ」な部分と、私自身の授業の課題です。
授業外の動画や漫画など、コンテンツを広げていきたいと思っています。
最後に、印象的だった感想を。
授業後に外の芝生横のベンチに、授業を見に来てくださったカメラマンの友人と座っていました。
すると二人の高校生が私を見つけて、近づいて、感想を言ってくれました。
「(特に英語の)ノートの取り方やまとめ方が本当に苦手だったけど、これならできると思えました!」
「自分は発表が苦手です。でも、描いたことをキーワードにすれば、プレゼンも大丈夫そうだと思えました」
と伝えてくれました。
面と向かって嬉しい感想をいただけたこと、本当に嬉しく思いました。
最後に
新しい学習として「見える化」と「記録」のグラログ。
子どもから大人まで使える方法として、これからも広めていきます!
YouTube動画はこちら